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晶馬の懺悔。いちおう晶苹
15話の旅館後と17話の電車で告白される間の話。

えろくはないですが一部性的表現あり

隣から冠葉の寝息が聞こえてくる。
暗闇が少し薄れて、たぶんもうすぐ朝がくるのだろう。
最近、あまり眠れていない。

原因は、はっきりしている。
荻野目苹果、さん。
僕は彼女のことが気になっている。

先日
偶然、旅館でゆりさんに襲われそうになっている彼女を助けた。
助けた、でいいのだろうか。いや、間違ってはいなかったはずだ。
だって、彼女はゆりさんのことを好きなわけじゃない。
好きでもない相手と、そういうことをするのは、間違っている。

でも
彼女は誰かとそういうことがしたかったんだろうか。
「蝶になるの。こどものあなたが知らない世界に行くの」
蝶になりたかったと彼女は言った。
でも、そういうことをしたからと言って、
蝶になれるだなんて。美しいものになれるだなんて、僕には思えない。

彼女の裸を見た。
ふとした瞬間に、それが頭をちらちらかすめていく。
同時に、彼女の唇の感触も思い出してしまったりする。
今も思い出して、自分の唇に触れてしまう。
彼女のつめたい唇の感覚を思い出す。
これほどまでに気になるのは、もしかしたら彼女を好きだからなのか。

でも
ゆりさんのものも、ちらちらと頭をかすめることがあって。
同じように赤面してしまうのだから、困ったものだ。
ただの、男であるがゆえの本能のような気がしなくもない。


それでも、彼女の裸をより意識してしまう
もう少し言えば、彼女とそういうことをしたいと思ってしまう
彼女を抱きたいと思ってしまう、僕は
もしかして、彼女のことが好きなのだろうか。
彼女で自分の欲望を満たしたいだなんて思う僕は。

欲望を満たすことを罪のように感じる。
本能を解放することが恐ろしかった。
正しくあらねばならない。これ以上罪を重ねないために。

自慰行為にすら僕はおびえている。
はじめは欲望を満たしたいというよりも、ほんの好奇心だった。
せりあがってくる快楽に、理性を忘れそうになった。
もっと、快楽に溺れてしまいたい。もっと

ふと我に返って恐ろしくなった。
快楽の前に理性はあまりにももろ過ぎる。
悪事を犯すことを前に、正義はあまりにも弱いものだと知った。
僕の存在は罪だ。


もしも僕が彼女を好きだたとしても
それが、僕が彼女を抱いてもいい理由にはならないと思う。
僕の欲望で、彼女を穢すことなど許されるはずがない。
そんなことが許されるはずがない。

もう、すでに許されることのない存在の僕が。


いつの間にか闇は消え、朝が来ていた。
もう、起きなくてはいけない時間だった。

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